TIME GAPで見てみる2021年F1イギリスグランプリ。シルバーストーンサーキットで地元レースであるメルセデスのハミルトンがラスト3周でトップに立ち、地元の大観衆の中、逆転勝利を飾った。
昨日、試験的に実施されたF1初のスプリントレース予選を1位フィニッシュで、ポールポジションを奪取したのはレッドブル・ホンダのフェルスタッペン。2位は地元レースで意気込むハミルトン。3位にハミルトンのチームメイトのボッタスが入った。日本の角田裕毅は15位からのスタートとなった。
この日は気温29℃、路面温度52℃ ドライコンディションで52周のレースがスタートした。ホールショットを奪ったのはポールポジションのフェルスタッペン。2位のハミルトンは1周目から果敢にオーバーテイクを狙っていく。高速コーナーであるコプスコーナでフェルスタッペンのインに入りフェルスタッペンと接触!フェルスタッペンは右リアサスペンションを壊しコースオフ。タイヤバリアに叩きつけられリタイアとなった。すぐにセーフティカーが入り赤旗中断となった。
リスタートでは、ハミルトンとフェルスタッペンの接触時にトップに躍り出たフェラーリのルクレールが1番グリッドからスタートとなる。2番グリッドはハミルトン。3番グリッドはボッタス。レッドシグナルが灯り2回目のレーススタート。ルクレールがいいスタートを決めて1位で1コーナーに侵入。2位にハミルトン。3位にスタートでボッタスを抜いたマクラーレンのノリスが浮上。4位にボッタスの順でレースが進んでいく。
ハミルトンはルクレールについていき、チャンスを伺っているが抜けない。28周目にハミルトンが先に動きミディアムタイヤからハードタイヤに交換。通常より12秒遅いピットストップで痛恨のタイムロス(①)。次の周ルクレールもピットに入り、ハミルトンと12.8秒差をつけて1位のままコースイン。
ここからハミルトンは怒涛の追い上げを見せ49周目にルクレールに追いつく。残り3周目にフェルスタッペンと接触したコプスコーナーでルクレールのインに入りパスしラップリーダーとなり、スタンドからは大歓声が響き渡る(②)。そのまま1位でフィニッシュし、地元イギリスで劇的な逆転勝利を飾った。
中団グループでは、マクラーレンの2台が好調で4位と5位フィニッシュ。ノリスはリスタートで3位に浮上しボッタスを抑えて力走していた。ピットイン直前、ボッタスとの差1.7秒リードしていたが、ピット作業がボッタスより2.8秒遅かったことで(③)、ボッタスに抜かれてしまい4位でフィニッシュ。ノリスのチームメイトのリカルドは、スタートから終始1秒前後の差で肉薄してオーバーテイクのチャンスを伺っていたサインツを最後まで抑えきり5位でフィニッシュ(④)。
アルファタウリ・ホンダの2台は、ガスリーは序盤ライコネンの後ろ11位を走っておりペースを上げられない状態でラップが過ぎていく中、ライコネンが17周目にピットに入るとペースを上げてタイヤ交換を済ませると10位に浮上。前を行くペレスの脱落で9位まで順位を上げるがタイヤがパンクしピットインを余儀なくされ11位フィニッシュ。惜しくもポイント獲得を逃した。
一方チームメイトの角田裕毅は序盤15位を走行。26周から28周の間は角田とガスリーの前がいなくそれぞれのペースで走れている時のラップタイムを比較するとグラフの⑤部は両者共にほぼ同じ傾斜角度で同等のタイムで走れており、角田はアルファタウリの車としては悪くないペースで走れていた。タイヤ交換を済ませ13位に浮上。前のペレス、ガスリー、ライコネンが脱落したことで10位入賞が転がり込んできた。
前を行くペレスはハミルトンからファーステストラップの1ポイントを奪う目的でピットでソフトタイヤに交換(⑥)をしてファーステストラップを記録したが、ピットインの際に入賞圏から外れファーステストラップポイント獲得はならなかった。
レース結果は以下の通りとなった。